こだわり豆知識～パオ2～

　スリング　パオ（PAO・包）の試作が完成した。早速試乗体験。
ムートン生地でベッドに敷かれたパオは、耐圧分散効果もあって寝心地はとてもいい感じ。
徐々にリフトで吊り上げられていくと「あれっ？　何か変だな？」
従来のメッシュタイプの吊り具もハンモックのような感じで吊られて、ともすればそのまま眠りに落ちるほど快適なのだが、それと比べても乗り心地が良くない。小柄な体格の人が乗れば、ふかふかで快適だが、そうでない人にとっては圧迫感、窮屈感があって快適とはいいがたい。
これでは商品化は無理！　何とかしなければ商品化は難しい。これまでもいろいろな素材で製作することを考えていたこともあって、ほかの手を考えよう・・・
行きつ戻りつ模索を続けるうちにムートンの毛足が長いので少しカットしたらよいのでは？と考えた。はさみではとてもできないし市販のバリカンでやってみてもうまくいかない。しかし餅屋は餅屋で、専門家に頼むと容易に毛足を短くすることができた。テストを重ね、最適な毛足の長さ、基布（ベースとなる布）の素材、縫製、ベルトなどの仕様が決まり、現在の製品に至った。
試乗すれば、当初のイメージ通り快適で乗り心地が良く、ベッドパットとして十分快適な睡眠をとれることが確認できた。
改めて、パオ（包）の名前の通り包まれている感覚。
母親の腕に抱かれてすやすや眠る赤ちゃんのように、また、揺りかごに乗ってゆらゆら揺られているような、穏やかで安らぎの風景が沸き上がってくる。